太政官布告(だじょうかんふこく)

太政官には2つの使われている時期があり、1つは律令官制の中央最高機関として、もう1つは、明治政府の最高官庁の名称として使われています。

ここで取り扱うのは後者の方。

太政官布告というのは、明治初年い太政官が公布した法令の形式のことで、明治19年(1886)の公文式の制定により廃止されました。

その交付の中で、明治5年(1872)年4月25日に布告された布告第133号というのがあります。

「自今、僧侶肉食妻帯畜髪等可為勝手事 但法用ノ外ハ人民一般ノ服ヲ着用不苦候事」

「これより先、僧侶は肉を食べること、配偶者を得ること、髪を生やすことなど、好きにしてよい。
儀式法要以外のとき(普段)は、一般市民が着ている服装でいることもかまわない。」
(宗教法人アドバイザーⓇ 行政書士橋本哲三事務所ホームページより引用)

それより以前にも浄土真宗では妻帯していた僧侶がいたり、非公式では妻帯していた僧もいたかもしれませんが、ここで日本の僧侶たちが公然と肉食や妻帯や髪を伸ばすことを認められたのでした。

認められる以前の問題として仏教の五戒というのがあって、

不殺生(せっしょう)
不偸盗(ちゅうとう)
不邪淫
不妄語(もうご)
不飲酒

という5つの戒があるのですが、そこを国が許可を出すというのはどういう経緯なのかもっとちゃんと理解をしたいと思っています。

参考になりそうなリンクを張っておきます。

「日本仏教に未来はあるか?」桂紹隆

上の桂さんの講座のなかでは、

明治政府が僧侶に肉食妻帯を許可したのは、江戸幕府によって与えられていた特権的な地位を彼らから奪い取り、俗人と同様に戸籍登録させ、徴兵の義務などを負わせる為であった

と書いてありました。江戸時代の特権的な地位についても見ていきたいです。